浅草博徒一代

浅草博徒一代―アウトローが見た日本の闇 (新潮文庫)

浅草博徒一代―アウトローが見た日本の闇 (新潮文庫)

読んで字の如く、明治生まれの博徒、いわゆるやくざ者の老人が、昭和に至るまでの一代記を著者に語った、という回想録。
もうこれがいちいち面白く、賭場を運営する話やら、戦中に豚肉を密売する話やら、玉音放送とともに略奪する話やら、こういちいち面白くてたまりません。
自分が巻き込まれるのはまっぴらごめんなんですが、人ごととしてはですね、こういう人間の生のなんといいますか、情念のぶつかり合いというか、色と欲にまみれた生活は大変に惹かれるものがあります。
どちらかってえと読んでないこと自体が不勉強を責められそうなくらい有名な本らしいんですけれども*1、一代娯楽作品として面白いので是非どうぞ。

*1:ポーランド語に訳されてるほど海外では評価が高いんだそうです