トンネルズ&トロールズ

ある人*1と、T&Tについて語る機会があった。


先輩:「さて、君達は戦士三人だ。ブラジオンとレザー・ジャーキンを装備して能力値は全部12。敵は、MR10のオークが10体」
加納:「げげっ、絶対勝てないぞ! 逃げよう!」
先輩:「そう、そういうこと。T&Tの根幹は、勝てない相手には絶対に勝てないってこと」
私:「飛び道具を遠距離からぶつけてMRを削ったり、敵を二分したりしたらどうにかならんかな」
先輩:「そうだね。そうすればMRが下がる。マスケットや〈これでもくらえ!〉があればもっと楽だ。T&Tは乱戦になったらおしまい。そこに至るまでに、どう相手の戦力を削るかなんだよ」
*2


T&Tは過程のゲームであり、ダイスをたくさん振っているように見えるけど、実は戦力差があれば絶対に勝てない、ダイスに意味のないゲームでもあること。だから、勝てる状況を作り出すまでがカタルシスになるゲームであることを、ありがたいことに実地のゲームを通して教わる。


ルールを理解するのに必要なのは、そのゲームデザイナーを知ること。デザイナーの視点に立って、その景色を見ること。

私も「デザイナーの価値観や歴史を知らないとルールは理解できないな」と思って、関連書籍にはあらかた目を通すフリークなのだけれど、それを「景色」と一語で表現できてしまう感性は、ビビッドで、凄い!


TRPGが生まれてからだいたい35年くらい経っていて、私のキャリアとは20年の開きがある。その20年を埋めるために勉強しないといけないなぁ、と改めて思わされた。


正直、気分は大学時代の講義。それも教授とタイマンで議論させられる類の。自己採点は40点というところ。それも甘く見積もって。*3

*1:先輩ゲームデザイナー

*2:以上、要約。実際はもっと込み入った会話だったのだが

*3:このノートの採点は、別。もっと悪い。これを読んでいる人は、落第生のノートをたまたま見ている、くらいに思ってください