萌えとギリシャ哲学
我々はとにかくあらゆるものを擬人化して萌えることができる。精神安定剤、新撰組、政治家、国家。あらゆるものに擬人萌えがある。
これは前人未踏の概念であろう、と思いながらアポロドロスを読み返して呆然とした。
「愛欲(ピロテス)」「曙(エーオース)」「夜(ニュクス)」等々。おおなんたることか、数千年前にすでにギリシャ人は概念そのもの、自然そのものを萌えっ娘にして崇めていたのである。
「漏れの寝床にヒュプノスタンが忍んできてその白い指で首筋を撫でてくれるものだから安らかにハァハァ」などという文章をプラトンもものにしているのである。
人類の知的研鑽はアカデメイアにおいて終焉し、後は再生するだけだ、とモンティーニュが言うわけです。いや、ミシュレだったかな。まぁどっちもフランス人だから同じようなもんだね。