漢方の保険適用継続署名へのご協力お願い

http://kampo.umin.jp/

ええと、巷間かまびすしい事業仕分けの一件で、漢方薬に対する健康保険適用廃止、という案が出ております。
漢方薬でなければ対処できない病気や症状、あるいは漢方でなければ副作用が出る、という人を無視したあまりに乱暴な案です*1
自己負担で買えばいいじゃないか、というご意見があるのは承知しておりますが、保険適用が止まるとほとんどの漢方薬剤師さんや、漢方製剤メーカーが危機に陥るのは間違いのないことであります。(大手のツムラからは、このままだと潰れるよ、という声明が出たそうです)
特定政党の政策をどうこう言うような記事は書かないつもりでしたが、自分自身も、そして家人にも漢方薬が必須の人間が多いため、やむなく声をあげました。

上記のサイトで電子署名を募集しておりますので、ご面倒でなければご協力お願いいたします。

※追記。ところで、「漢方が保険から外れるのは自国産の漢方薬を輸入させたい外国の圧力による物だ」という説を伺いました。あたくし思いますに、日本産だろうがポーランド産だろうが、漢方は漢方なので、保険が外れたら結局必要な人の所には届かなくなります。落ち着いてください。悪者を作りたい、それもなろうことなら外国に作りたい、というのは理解できなくもありませんが、このさい一銭の得にもなりませんよ。
 逆に言えば、患者の立場から申し上げるなら、これはどこの国であろうと、効く薬が安く手に入るならそれに越したことはございません。そして、どの薬が危険でどの薬が有効なのか見極めるのに必要なのが現場の薬剤師さんやお医者様で、もし日本の漢方医療が廃れますと、こういう専門家の方も育成できなくなります。そうなりますてえと、たとえば「中国渡来の漢方薬で、西洋医学では効果は証明できませんがガンもなおりますエイズもなおります女にももてます」なんていう怪しい薬を高値で売りつけるインチキ商売ばかりがますます儲かる、ということになりかねません。
 科学や技術の専門家てえものは、一見するとお金にならないように思うかもしれませんが、社会全体を底上げして、最終的には全体の利得を増やしてくれる存在です。その部局が赤字だからといって、総体としての社会が利益を得ていないわけではありません。
 たとえば今TVで使われている八木アンテナ、太平洋戦争では米軍が大いに活用したあの八木アンテナだって、別に開発者の研究室が大もうけしていたわけではなく、それどころかお金にならないてんで助手が防空壕掘ってた始末なんでそうでございます*2。なにとぞ、科学技術、ひいては学問そのものへのご理解をお願いしたく思います。

*1:というより、今回の事業仕分けは全体的に異様に科学に点が辛いのはいかがなものかと思います。あなた、シムシティで教育と医学の予算減らしてプレイしてみなさい

*2:そんなことやってるからレーダー技術の差でボロ負けしたりするわけですね。戦後帝大に来たアメリカさんはその冷遇ぶりに大層ぶったまげたそうです