突然深淵

夢の中で、私は来客にゲームマスターを迫られている。中世ファンタジー物をやって欲しいようなのだが、お客達はブレイド・オブ・アルカナには食傷していて、さりとて「混沌の渦」や「ウォーハンマー」には食いついてこない。ローズ・トゥ・ロードという風情でもない。

さて困ったぞ、ということで「深淵」を選び出す。

お客の一人が可愛い女の子なのだが、その娘がルールを覚えなかったり平然とシナリオを覗き込もうとしたりで困ったり、逆に詳しい人もおられるので既存シナリオどころかネットにアップされている同人シナリオも使えない風情。

それでもそこで即興型シナリオをでっちあげるような胆力はないから、脳内でPC枠と今回予告を書き始める。


絶え間なく吹きすさぶ寒風と、丈の低いヒースだけが生えた荒野。
ラルハースの勇猛な騎士さえも避けて通る、人影なき北辺の地。
そこに迷い込んだ四人の旅人は、地図にない街へと迷い込む。
夜な夜な出現する炎を吐く魔犬。笑顔の裏に狂気を潜ませた奥方。
道化の予言が示す、破滅の影とは何か。
深淵「地獄の犬」
犬は死神の先触れである。


 というような塩梅。どうにかテンプレートを配ってゲームを始め、オープニングの夢歩きから中盤のドラマの展開までが転がりだし、やれ安心、と思ったその刹那夢から醒めた。なのでこのシナリオの結末がどうなるのかは今ひとつわからない。エンディング・シーンは考えてあるのだが。