近況報告

ご無沙汰しております。
ただひたすら机に向かっていたらもう九月が半ばを過ぎている、というおっかない状況にガクガクしている残暑厳しき頃、皆さまいかがお過ごしのことと存じます*1
最近はご多分に漏れず『超ウルトラ8兄弟』の熱を受けてウルトラマン熱が再燃しておりまして、三輪や重信と「バルンガに人類は勝ったと言えるのか」「スペースビーストとヤプールの戦略的類似性について」「二代目ムルチは何がしたかったのか」「あんな*2ゼットンはニセモノです。二週間待ってください、オレが本物のゼットンを食べさせてあげますよ」などの知的なトークをカンバセーションしている毎日でございます。
ウルトラマンシリーズはヒーローの自覚、ヒーローであるということにつきまとう痛みについて、フランク・ミラー*3アラン・ムーア*4というくらいに常に明示的なメディアでありまして、ここが『仮面ライダー』や『戦隊シリーズ』と並んで愛されてきた理由なのではないかな、と思います。
この傾向はウルトラマンですと第二話「侵略者を撃て」にすでに萌芽がありまして、「科特隊宇宙へ」「故郷は地球」を経て「禁じられた言葉」に至るのではないかと思っております。
そしてセブン、もはやヒーローの自覚といいますかヒーローたるべき存在とは何か、について我々に永遠の課題を残したあのウルトラセブンにおいては多くを語りません。誇らしげにザンパ星人やノンマルトを「絶滅」させてしまうキリヤマ隊長が個人としては実にいい人、いい上司、いい家庭人である姿に、我々はモロボシ・ダンの苦悩を見るのであります。
個人的にこのあたりのバランスがいいな、と思っているのが新マンでして、「暗黒怪獣星を吐け!」「地球頂きます!」などの娯楽に徹したボンクラな話*5と、「怪獣使いと少年」や「ウルトラマン夕陽に死す」のようなハードな話が同時に来るのが素晴らしい。あれ、両方とも上原正三*6だ。まあいいや。
ヤプールを通して人間性を問いかけたエースはもちろん、意外なのは子供向けだと思われてるタロウが徹頭徹尾ヒーローの自覚話だということですね。最終回、ウルトラバッジを捨てて人間として宇宙人に挑む東光太郎の姿は泣けます。
で、この後いろいろとありまして*7……特にティガ以降の平成三部作とゼアスは話してると長いんですが割愛しますが……二十一世紀になってやってきた「ULTRAMAN」と「ウルトラマンネクサス」は衝撃でした。“光は受け継がれるもの”という大テーマを軸に、ウルトラマンという作品に正面から取り組んだ大意欲作です。何を話してもネタバレになるのが残念ですが、ネクサスの主人公を追い込んで追い込んで、そりゃもうモロボシ・ダンの特訓か円盤生物かというくらい追い込んで、最後の大カタルシスにつなげるあの素晴らしい構成は単にヒーローものというだけでなく、SFとして、ドラマとして大変影響を受けました。
そしてウルトラのおもちゃ箱のようにサービス満点、娯楽満点だったマックスからつながりまして、「ハードじゃないじゃん」とマニアに扱われてきた第二期ウルトラベースの大傑作、「ウルトラマンメビウス」につながるわけです。とにかくメビウスは傑作でして、未見の方にはこれは絶対見ていただきたいんですけど、脚本が面白く、怪獣がかっこよく、女優さんは綺麗で男優さんは精悍、頭から尻尾までよくぞここまで、と感動させられました。実際、映画の予習てえことでDVDを再見しておりましたら、あまりの感動に近所のディスカウントショップでガンウィンガー*8を買ってきてしまったほどでございます。


前置きが長くなりました。
要するに忙しいんで映画を見ているヒマもありません、というお詫びでございます。
その分お客さまには喜んでいただける商品が作られているのではないか、とうぬぼれておりますので、ご容赦いただければ幸いでございます。
よろしくお願いいたします。

DVD ウルトラセブン Vol.2

DVD ウルトラセブン Vol.2

DVD帰ってきたウルトラマン Vol.9

DVD帰ってきたウルトラマン Vol.9

ウルトラマンネクサス Volume 1 [DVD]

ウルトラマンネクサス Volume 1 [DVD]

ウルトラマンメビウス Volume 1 [DVD]

ウルトラマンメビウス Volume 1 [DVD]

*1:難しい言葉を使おうとして支離滅裂になっている文章の好例

*2:新マン

*3:デアデビル』『バットマンダークナイト・リターンズ』『300』『シン・シティ』他

*4:ウォッチメン』『Vフォー・ヴェンデッタ』『リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン』他

*5:褒めてます

*6:いわゆるハードなウルトラを見たければ、金城哲夫佐々木守と並んでこの人の脚本を漁ればいい、と言われる伝説の脚本家

*7:別にレオや80やジョーニアスを黒歴史にしたいわけじゃなくて、文章の切り口がそろそろマンネリになってきたので

*8:作中に登場する戦闘機