兵士諸君、我らの栄光は眼前にあり

ナポレオン 8―獅子の時代 (ヤングキングコミックス)

ナポレオン 8―獅子の時代 (ヤングキングコミックス)

痛快無比にして興奮至極。娯楽漫画かくありたい、と思わせる大傑作、長谷川哲也先生の『ナポレオン・獅子の時代』は最近の愛読書のひとつであります。
ナポレオニックという我が国では今ひとつメジャーでない題材でよくぞここまで丁寧に、とうならされるこの大作、毎回実に楽しみでなりません。
個人的にはマッセナランヌがお気に入りですが、楽しみでならないのはライプツィヒで壮絶な死を遂げるナポレオン軍唯一の外国人元帥、我らがユーゼフ・アントニ・ポニャトフスキ公の登場です。
なにぶんワルシャワ大公国が成立しないとナポレオンとの接点を持たない人ではありますが、是非ともそこまで連載を続けていただきたいところ。なにしろポーランド槍騎兵を率いてロシアまで遠征し、敵のランスチャージを受けて負傷した、という「最後の騎士」のようなお人であります。これが長谷川先生の筆致で描かれる日を心から楽しみにしてなりません。
なお、入手困難ですが、ポニャトフスキ公については池田理代子先生の『天の涯まで−ポーランド秘史』がわかりやすくよい入門書です。古書店などで見かけたら是非手にとってやってください。
この調子で長谷川先生がホーンブロワーあたり漫画化してくれないものだろうか?